ノーコードで業務を自動化する入門:ZapierとMakeの仕組みと始め方
結論から言うと、ノーコードの自動化ツールは、「何かが起きたら、決まった作業をする」という手順がはっきりした業務から小さく始めるのが向いています。この記事では、代表的なサービスである Zapier(ザピアー)と Make(メイク)を例に、仕組みと料金の数え方、最初に試したい業務、始める前に決めておきたいことを、発注・運用する側の目線で整理します。どちらが優れているかを決める記事ではありません。
ここで紹介する料金や上限は、2026年11月時点の各社公式ページにもとづいています。変わることがあるため、申し込み前に公式の料金ページを確認してください。
ノーコード自動化の仕組み:「きっかけ」と「やること」
ノーコードとは、プログラムを書かずに画面の操作で仕組みを作れることです。自動化ツールでは、普段使っているアプリ同士を画面上でつなぎ、次の2つを組み合わせます。
- きっかけ(トリガー): 自動化を始める出来事。例:フォームに回答が届いた、表に行が追加された
- やること(アクション): きっかけの後にツールが行う作業。例:連絡先を登録する、メッセージを送る
Zapierでは、この一連の流れを「Zap」と呼びます。Zapierのヘルプでは、Zapは「トリガー」と1つ以上の「アクション」でできたワークフロー(作業の流れ)だと説明されています。Makeでは同じような流れを「シナリオ」と呼び、Makeの料金ページのよくある質問で、アプリ同士をどう連携させるかを定めた自動化のワークフローだと説明されています。
料金の「数え方」がツールごとに違う
どちらも無料プランがありますが、使った量の数え方が異なります。比べるときは、月額料金だけでなく「何が1回に数えられるか」を見るのが大切です。
| 項目 | Zapier | Make |
|---|---|---|
| 流れの呼び名 | Zap | シナリオ |
| 使用量の単位 | タスク | クレジット |
| 無料プランの上限 | 月100タスク | 月1,000クレジット |
| 主な数え方 | 成功したアクションごとに1タスク | 多くのアクションは1クレジット(AI機能などはそれ以上) |
Zapierの料金ページによると、無料プランは月100タスクで、組めるのは「トリガー+アクション1つ」の2ステップのZapまでです。新しいデータの確認間隔は15分ごとです。タスクの数え方のヘルプでは、成功したアクションだけがタスクとして数えられ、トリガーや失敗したアクション、編集画面でのテストなどは数えないと説明されています。同じヘルプには、2026年12月1日から一部の新しい仕組み(Next Gen Zaps など)でも数え方が変わる旨が書かれているため、有料プランを検討する際はあわせて確認してください。
Makeは、料金ページのよくある質問で、無料プランは月1,000クレジット、多くのアクションは1クレジットを使い、AI機能を使うものはそれ以上かかる場合があると説明しています。またMakeのヘルプでは、新しいデータがないかを確認する処理も1回の「オペレーション」として扱われると説明されています。確認の頻度を上げると、そのぶん使用量が増える点を頭に入れておきましょう。
最初に試したい業務の選び方
自動化に向くのは、次の条件がそろった業務です。
- 手順が毎回同じ: 判断や例外がほとんどない
- 回数が多い: 毎日・毎週くり返している
- 使っているアプリが決まっている: どのフォーム、どの表、どのチャットかがはっきりしている
たとえば、「問い合わせフォームに回答が来たら、表に1行追加し、社内チャットに通知する」「予約が入ったら、カレンダーに予定を作る」といった、転記と通知の組み合わせは考えやすい例です。どの業務に手間がかかっているかを先に洗い出しておくと、候補が選びやすくなります。洗い出し方は業務の棚卸しの記事で紹介しています。
反対に、内容を読んで判断が必要な業務や、間違えたときの影響が大きい業務(請求金額の確定、お客様への個別の返信など)は、最初の題材には向きません。自動化した後も、人が確認する場面を残しておきましょう。
始める前に決めておきたい4つのこと
- 誰のアカウントで作るか: 担当者個人のアカウントで作ると、異動や退職のときに止まってしまうことがあります。会社として管理するアカウントで作り、ログイン情報の管理と二段階認証を決めておきます。考え方はパスワード管理の基本を参考にしてください。
- どのデータを流すか: 自動化ツールは、つないだアプリのデータを外部のサービスを通して受け渡します。お客様の個人情報を扱う場合は、社内のルールや自社のプライバシーポリシーと合っているかを確認します。個別の判断が必要な場合は専門家にご相談ください。
- 一覧と説明を残す: 「どのZap・シナリオが、何をきっかけに、何をしているか」を一覧にしておきます。作った人しか知らない状態になると、止まったときに原因がわかりません。社内の情報の置き場所はGoogle Workspaceで社内の情報共有を整えるの記事も参考になります。
- 止まったときの気づき方: エラーの通知先を決め、月に一度は使用量と動作を確認します。上限に達すると、その月は自動化が止まることがあります。
まとめ
- ノーコード自動化は「きっかけ(トリガー)」と「やること(アクション)」の組み合わせ
- Zapierはタスク、Makeはクレジットで使用量を数える。何が1回に数えられるかを公式ページで確認する
- 最初は、手順が同じで回数が多い転記・通知の業務から小さく始める
- 会社のアカウントで作り、流すデータ・一覧・止まったときの気づき方を決めておく
業務のデジタル化の進め方に迷ったら、無料相談でお気軽にご相談ください。
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