/Web
インバウンド対応の多言語サイト:作り方の選択肢と注意点
結論から言うと、インバウンド(訪日外国人観光客)向けの多言語サイトは、言語ごとに別のURLを用意し、利用者が自分で言語を選べるようにするのが基本です。そのうえで、全ページを翻訳するより、訪日客が必要とする情報に絞って正確に訳すほうが、公開後の運用まで続けやすくなります。
JNTO(日本政府観光局)の発表によると、2025年の訪日外客数は推計値で4,268万3,600人と、年間の過去最高を更新しました。店舗や観光に関わる事業者にとって、外国語で情報を届ける場面は増えています。ここでは、多言語サイトを依頼・運用する側が押さえておきたい点を整理します。
まず決めたいのは「どの言語で、何を載せるか」
多言語化でつまずきやすいのは、技術より先に範囲を決めないまま進めることです。依頼前に次の点を社内で整理しておくと、見積もりも比較しやすくなります。
- 対応する言語:来店客や問い合わせの実態から考える。英語に加えて、繁体字(台湾・香港向け)・簡体字(中国本土向け)・韓国語などを検討することが多い
- 翻訳するページ:営業時間・アクセス・料金・予約方法・注意事項など、来店前に必要な情報から優先する
- 外国語での問い合わせ対応:フォームやメールに外国語で連絡が来たとき、誰がどう返信するか
- 更新の頻度:お知らせやメニューを変えたとき、外国語版もあわせて直せる体制があるか
日本語サイトの内容をすべて訳す必要はありません。たとえば「アクセス・営業時間・メニュー・予約」の4ページだけを英語で用意する、といった始め方もできます。依頼前に決めておきたいことの全体像は、ホームページ制作を依頼する前に決めておきたい5つのことも参考にしてください。
URLの作り方と言語切り替えの基本
Google 検索セントラルの多地域、多言語のサイトの管理では、ページの言語版ごとに別のURLを使うことが勧められています。URLの分け方には、主に次のような方式があります。
| 方式 | 例 | 特徴 |
|---|---|---|
| サブディレクトリ | example.com/en/ | 1つのドメインで管理でき、導入しやすい |
| サブドメイン | en.example.com | 言語ごとにサイトを分けやすい |
| 国別ドメイン | example.tw など | 対象の国・地域がはっきりするが、ドメインの数だけ費用と管理が増える |
| URLパラメータ | example.com?lang=en | 同ページでは推奨されていない |
小規模なサイトでは、ドメインを1つにまとめられるサブディレクトリ方式が扱いやすいことが多いでしょう。
言語の切り替え方にも注意が必要です。同じページでは、Cookieやブラウザの設定で表示言語を自動で切り替えることや、言語を推測して自動で転送することは推奨されていません。利用者や検索エンジンが、ほかの言語版を見られなくなるおそれがあるためです。代わりに、各ページに「English / 繁體中文 / 한국어」のような言語切り替えのリンクを置き、利用者が選べるようにする方法が勧められています。
hreflang(ヒアレフラング)の設定
hreflang とは、「このページには英語版・中国語版がある」と検索エンジンに伝えるための記述です。Google のページのローカライズ版について Google に知らせるでは、主に次の点が示されています。
- 言語コードは ISO 639-1(例:en、ja、ko)、地域を付ける場合は ISO 3166-1 Alpha 2(例:zh-TW)の形式で指定する
- 各言語版のページはお互いを指定し合う必要があり、相互の指定がないと無視される場合がある
- 各ページには、自分自身の言語版も含めて同じ一覧を書く
- どの言語にも当てはまらない人向けのページは
x-defaultで指定できる
設定は制作側の作業ですが、発注時に「hreflang を設定するか」を確認しておくと安心です。
翻訳の方法と、品質で気をつけたいこと
翻訳の方法は、大きく次の3つに分けられます。
- 翻訳会社・ネイティブに依頼する:費用はかかるが、表現や文化的な配慮まで整えやすい
- 機械翻訳(DeepL・Google 翻訳など)+人の確認:費用を抑えつつ、誤訳を減らせる
- ページ上の自動翻訳ボタンだけで済ませる:手軽だが、訳文を確認できず、言語ごとのURLもできないことが多い
どの方法でも、料金・営業時間・注意事項など誤解されると困る情報は、人の目で確認することをおすすめします。店名や商品名、地名のローマ字表記がページごとにばらつかないよう、表記のルールを先に決めておくのも効果的です。
また、Google のページでは、メニューやフッターなどの定型部分だけを翻訳して本文が日本語のままだと、利用者にとって使いにくくなる点が説明されています。訳すと決めたページは、本文まで訳すのが基本です。
公開後の運用で見落としやすい点
多言語サイトは、公開してからの手間が日本語サイトより増えます。
- 更新の漏れ:日本語版だけ料金を変えて、外国語版が古いまま残る。更新の手順に「外国語版も直す」を含めておく
- CMSの対応:お知らせを管理画面から更新する場合、使うCMSが多言語に対応しているかを確認する(更新しやすいサイトの条件:CMSの選び方)
- 地図・予約サービスとの整合:Googleビジネスプロフィールなどに載せている営業時間とサイトの内容をそろえる(Googleビジネスプロフィールとは?店舗が最初に整えたい設定)
- 画像の中の文字:写真やバナーに日本語の文字が入っていると、その部分は翻訳されない。重要な情報はテキストで載せる
まとめ
- 多言語サイトは、言語ごとに別のURLを用意し、言語切り替えのリンクで利用者が選べるようにするのが基本
- URLの分け方はサブディレクトリ方式が扱いやすく、URLパラメータ方式は Google が推奨していない
- 対応言語と翻訳するページを先に絞り、料金や営業時間などは人の目で確認する
- 公開後は、日本語版と外国語版の更新をそろえる体制を決めておく
多言語化の範囲や進め方に迷ったら、無料相談でお気軽にご相談ください。制作の流れはWeb制作のサービス紹介でもご覧いただけます。
- #多言語サイト
- #インバウンド
- #hreflang
- #ホームページ制作
- #SEO